HOT CROSS

HOT CROSS - FAIR TRADES AND FAREWELLS (sonzai records)

ENVYのレーベルから出たニューヨークのバンド。三枚目。
90年中盤から音楽の新しい動き=マス/カオティック/ポスト/エモ/スロー・サッドコア。そういうもの全部、ここにあって、ぜんぶ凝縮してごちゃごちゃな新しいステージにあがってる。
もともと激しい複雑な絶叫激情歌が多かった。かっこいい「カオティックハードコア」だった。けど、徐々にセンチメンタルな旋律・引いたスタンスが目立ち始め、ここで突然爆発した。世界の終わりみたいな美しい旋律:悲しいギター・滅茶苦茶かつ強引な展開・綺麗なサイドボーカルと甲高く力弱い絶叫:が、狂ったテンションでぶちまけられてる。世間的にはカオティックハードコアになるんだろう。でもここでそんな言葉は何の意味もなくなる。ただ滅茶苦茶に美しいだけ。


サウンド的には全然違うけどunwoundの変化とすごく似たものを感じる。unwoundも最初はfugaziワナビーみたいなオルタナサウンドだったけど、最近になってロマンチックな絶望希望の入り混じるバンドになった。ニールヤングとかブローディガンみたいな、美しく野蛮な、アメリカ人にしかできない絶望の表出ってやつ。なんでこんな豪快に滅茶苦茶なのに、こんな綺麗にできるんだろう? 日本でこういうのに近いっていうと、ENVYくらい? HOT CROSSもENVYの影響でこんなになったっぽいから、なんだかはがゆい。



で、これを聴きながら、やるせない生活に飛び込みます。