夜の街

薄暗い光のない店のなか、酒を飲んでくだらない話をする。
檻や柵で仕切られた内装の内側。ネットワークから切り離された”私/付随する亜人たち”は、よろこびを求めて互いの空隙を盗む。
”私/付随する亜人たち”は、権力に隔絶された個別的道化になった。
酒で意識を混濁させる。じゃなきゃ、よろこびなんてありえない。
直接的に拘束を想起させるあのほの暗い半地下空間で、”私/付随する亜人たち”はWをひとつ捨てた。


誰が:私/付随する亜人たちが
何を:お互いを
いつ:薄暗い、暗い夜
どこで:欧州料理店で
どうやって:あのよろこび(※1)を思い出しながら


不思議なことだが、”私/付随する亜人たち”は、追憶に関する断片的議論により、やせ細った充足への依拠を確認することに終始した。
すべてがおわり、手元に領収書だけが残った。
明日。
まわそう。





※1 そんなものはなかった。