お姉様
寒いね。姉さまは寒くない? 僕につかまってくれていいよ。
もうすぐ春なのにまだ寒いね。そろそろ暖かくなってもいいよね?
あ、姉さまあったかい! 熱があるの?
あははは、またからかって!
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僕、姉さまに会えないとき、いっつも姉さまのこと考えちゃうんだ。仕事してるときなんてしょっちゅうだよ。ダメな弟だよね。
わっ、痛いよ姉さま……
ううん、ごめんね。なるべく姉さまのこと考えないようにする。
でも僕姉さまが好きだから。ずーっと好きだったんだよ。病気になってからずっと。姉さまのこと知らなかった時も、姉さまのこと大好きだった。今でもいっつも考えるんだ。姉さまどうしてるかな? 何か困ってないかな?って。姉さまちょっと抜けてるとこあるから…
わああごめん!
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姉さまに会いたいな。姉さまと六本木いきたい。僕、おしゃれなとこ知ってるんだ。姉さまにぴったりのところだよ。きれいな人しかいちゃいけないところなんだ。蘭がいっぱいあって、それが姉さまみたいなんだ。
でもその蘭ってさわってみたら造花でさ、ツクリモノなんだよ。姉さまみたいな本物の美しさじゃないんだ。姉さまだけが本物だよ。
姉さまだけが正しい。姉さまだけが真実だ。
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姉さまのことばかり考えてる。姉さまと手をつなぎたい。姉さまの髪の毛に触れて、姉さまに笑ってもらって、ふれて、ふれられて。ほかの女の子なんてほんとはどうでもいいんだ。姉さまに会いたいよ。僕の病気が治るまで一緒にいてほしいな。僕は、姉さまのちょっと抜けてるところをフォローするから。お互いがお互いを支えあえると思うんだ。僕もそれくらいには成長したよ。
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姉さまの髪の毛、姉さまの眼、姉さまのくちびる。姉さまみたいにきれいな人なんていないよ。姉さまの手、姉さまの爪、姉さまの足。姉さまは世界だ。姉さまだけが世界だよ。
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こっちはうんざりだよ。みんな奥行きがあるんだ。回想もないしスキップもできない。既読・未読判定以前の問題なんだよ。それに、差分すらないんだ。フルボイスだけど、声があればいいってものじゃないしさ。僕、いっつも姉さまがいるとき以外はスキップなんだ。姉さまだけが世界だから。
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姉さまに後ろから抱いてもらって、姉さまと見た江ノ島。夕日がきれいだって姉さま言ったけど、何でそんなこというんだろうと思ったよ。姉さまの方がきれいなのに。
病気になる前は知らなかったよ。
こんなにきれいな人がいるなんて。姉さまの細い指が僕の腰に回ってるから、僕は幸せだった。あのとき姉さまが言ったこと、僕は絶対に忘れないよ。絶対って言葉が使えるのはこれだけだよ。
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海の匂いがするね。
ああ、ちがうよ、海おねえちゃんのことじゃなくって、ほんとうの海のこと。海おねえちゃんなんて関係ないよ。
一番好きなお姉ちゃんは、姉さまだよ。要芽姉さま。
みんなには内緒にしててほしいけど、僕、いっつも姉さまのこと考えてるんだ。姉さまで頭パンク寸前破裂して飛び散りそうなんだ。
ありがとう。僕も姉さまの弟でよかった。
大好きだよ、姉さま。
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姉さま、コメントして。お願い。頼むよ。たのむから。ほんとうに頼むよ。待ってるよ。ずっと待ってる。僕が今いるところ、すごく汚いんだ。奥行きがあるんだ。ここには狂人か病人しかいないんだ。姉さまがいないから、ここはおかしなところなんだ。
姉さまの声が聞きたい。姉さまと歌いたい。姉さまの声を聞いて、姉さまの赤い瞳に映るものを見たい。姉さまだけ。
今日作った曲
highというの。
いちにち、いっきょく。