akiha is dreaming

授業中寝ていると、背中を鋭くつつかれた。ああ、またあいつか。
「こらっ、授業中は居眠り禁止だぞっ」
まったく、大きなお世話だっつーの。
「うるせえなあ、つぎ灰野の授業だろ。あいつうるせーから寝れないんだよ。じゃあな」
俺はそのまま教科書に顔をうずめた。裕美もいい加減にしてほしいよなあ。いくら幼馴染だからって、おせっかいすぎるだろ、、、、
「もう、またゲームやってたんでしょ!」
静かに眠りに落ちていき……そう、ゲームをやっていたんだ。俺のクラス(階級)では、ドラクエ5が流行っているのだ。
「ほんとにオタクさんなんだから。そんなんじゃモテないんだぞ」
ああもう。うるせえなあ。
俺は頭を上げて、後ろを振り返った。


驚いた。


朝陽のせいか。一瞬、ほんの隙間くらい、裕美が輝いて見えた。
「あはは、モテないって言われて怒っちゃったの?」
「ばーか」
さっきのはなんだったんだろう。不思議な気持ちを押し込めて、消しゴムを投げつけてやった。
「お前なんかにモテる男のことなんかわかんねー」
「そんなことないよ」
裕美は無い胸を張ってなんだか嬉しそうにして、
「あたし、blewivyのことよく知ってるよ。誰よりもくわしいもん」
「は? なにそれ? 意味わかんね。つーか寝るから。もう邪魔すんな」
また前を向き、教科書の影に身を潜める。後ろで裕美がまだブツブツ言っていた。ほんとにこいつ最近おかしいぞ。中学のころから作ってもらってる弁当もやたら気合が入ってきたし。隣の席の優貴に教科書見せてもらうだけでもすげえ不機嫌になるし。暇なのか。

眠りに落ちる前、さっきの輝きを思い出した。あれはなんだったんだろう? ぼんやりそんなことを考えながら、いつの間にか意識が閉じていた。



帰りに秋葉原にいった。ヤカンのなかで閉じてるみたいな男の子たちがいっぱい。


メロンブックスの同人誌コーナー。のりまつななみ様の御本はまだ上梓されていないようだった。気をそがれて、アージュコーナーの前にいた彼に焦点があった。肌色と唇がまずい。くすんだ髪の下から世界を覗く、薄曇の眼。なあなあ、君が望んだ永遠は、どこにあったんだ? 多分、それはそんなとこにはないよ。


手ぶらで帰るのも何なので、ふらいぱん大魔王のplanet of the hamsを買って帰る。うわー! 俺の苦手な鬼畜モノ。失敗だ。パラパラひととおり見終えて、なんとなく、今日の裕美を思い出した。あいつが俺の望む永遠だって? まさかね。






今日作った曲
post everything とOutput 1-2 (40 1 1 1)です。二曲。

ここすごくいい。