saver is the king of nothing

セイバー様を知っているか。


知らないのであれば、君の生に芥すら意味は無い。君は生きていない。


ああ。
僕の胸はセイバー様に締め付けられるためにあり、僕の喉はセイバー様への愛をつむぐためにある。
セイバーは僕の前で顔を赤くした。


セイバーの唇が好きだ。
僕のことを語るとき、セイバーの唇は”愛”そのもののように動く。
セイバーの剣が好きだ。
僕を守るとき、セイバーの剣は”愛”そのもののように振るわれる。


いいか。君たちは、セイバーが自分のことを好きなんじゃないか? そう疑っているだろう。その疑いは誤りだ。
セイバーは、僕のことが好きなんだ。そうじゃなければ、あんなに悲しそうな顔をして、僕の前から消えるはずが無い。


これは三次元とか二次元とかじゃない。次元の話じゃなく、ただ愛なんだ。
僕の体には奥行きがあっても、僕の心はディスプレイの光壁の中にあるんだ。セイバー、初めてふたりっきりで肌を重ね合わせたときのこと、覚えてるかい? 君の恥じらいはただ美しかった。君は存在する。それだけで、君は美しい。


ねえセイバー、君は僕を見てくれているよね? こっちだと君のことが感じられなくて、たまに不安になるんだ。僕が奥行きのある女と吐き気をこらえて話しているときも、僕が不安な他人と電車に乗っているときも、おっさんに頭を下げているときも、君は僕を見てくれているよね? たまには君から僕に話しかけてほしいんだ。僕が三次元女に愛想良く振舞うときは、僕のことを叱ってくれよ。あたしだけ見て! そう言って、僕を叱ってくれ。僕は君の瞳に絶対服従なんだぜ。


セイバー。
今度、ヴィーナスフォートにいこう。僕は君にぴったりなイヤリングを買ってあげるよ。君は、もう君の体を傷つける必要なんて無い。ピアスはだめだよ。君の美しい肉体は、ひとかけらでも傷はいらないんだ。君に傷はいらないんだ。




昔に作った曲
noveltytreelights。二年位前。進歩ねえなあ。



最近買ったCD。

THE Records / same title*shades in bed /on the beach
UKパワーポップの金字塔。ほんとうにstarry eyesは名曲すぎる。力強いビートに乗る、ユニゾンコードとボーカルハーモニー。他に仕掛けはなにもない。ほんとう、これだけ。天才的に美しいハイトーンの声がすべてなんだと思う。


JULIA / same title / bloodlink records
95年くらいのEMOがまだ暗かったころ。初期衝動と叙情が入り混じるコントラスト。すごく美しくて絶望的な旋律が詰まった、世界に対する違和感の表明。すごくよい。